夫から眺めた、たかね裁縫所。
ある時、僕らは子供達に何を一体残せるのだろうという問いに、家内と真剣に向き合った。
答えは、割と簡単に導きでる。
それは「自分でできるものは、何でも手で作ってみよう。」と、いうものだった。
僕の仕事は手で作るものが多かったが、家内はもっと生活に根ざしたところから始めだした。
出汁をちゃんと摂ってみたり、自ら酵母をおこしパンを焼いてみたり。
時に頑固に融通の利かない家内だが、そのせいか何事にも真剣に向き合うため、出来上がるものの「良さ」が伝わってくる。
ミシンを2台同時に買ってきたことがあった。
思えばそれが、たかね裁縫所の小さな一歩だったのだが、当時はそんなこと考えもしなかった。
僕ら夫婦の面白いところで、アイデアは夫の僕から生み出されることが多い。
はきやすいタイパンツなどを、作ってみてはどうかという提案もそれだ。
彼女の凄いところは、様々なアイデアにも追従でき、それを一気に抜き去り新たなアイデアを創造できること。
その繰り返しで、「たかね裁縫所」が生まれた。
彼女がミシンにむかう姿を眺めてると、長年感じていたことが確信にかわる。
それは「手を抜かない」こと。
僕から見ても心配になってしまうほど、時間と手間のかかることをしている。
「わかってる。でもね、慣れるしかないの。」
ある意味、パンチドランカー。
でもその丁寧さこそが、たかね裁縫所の生命線。
彼女が考え感じる、ユーザーフレンドリー。
今後も期待し、見守っていきたい。
たかね裁縫所は実店舗を持っておりません。
夫が自作した白い小屋を、野外の出店などに持ち込み、二人で組立て販売しています。